
「海外FX業者のレバレッジは、なぜハイレバレッジなのですか?」
海外FX業者は、日本国内の業者ではないため、金融庁・財務局への登録をしていない(金融ライセンスを持っていない)ことがハイレバレッジでトレードできる理由となっています。この記事では、海外FX業者のレバレッジはなぜ高いのかについて丁寧に解説します。
国内FX業者のレバレッジ規制
日本国内でFX事業を展開する業者のことを「国内FX業者」と呼びます。
国内FX業者の場合は、金融商品取引業者又は登録金融機関として、日本の金融庁・財務局に登録した上で(日本の金融ライセンスを持ったうえで)営業しなければなりません。
金融商品取引業者又は登録金融機関としてライセンスを持つ = 金融商品取引業等に関する法律を守る
ことを意味します。
2010年8月1日施行の「金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」で、次の2点が禁止行為(金商業府令第117条第1項第27号及び第28号)として追加されました。
- FX取引に係る契約を締結する時において顧客が証拠金預託先に預託した証拠金等の実預託額(取引の額(いわゆる想定元本)に4%を乗じた額)が約定時必要預託額に不足する場合に、当該契約の締結後直ちに当該顧客にその不足額を証拠金預託先に預託させることなく、当該契約を継続する行為
- 営業日ごとの一定の時刻における取引に係る証拠金等の実預託額が維持必要預託額(取引の額(いわゆる想定元本)に不足する場合に速やかに当該FX取引に係る顧客にその不足額を証拠金等預託先に預託させることなく、当該取引に係る契約を継続する行為
わかりやすくいえば、この金融商品取引業等に関する内閣府令の「FX証拠金規制」によって
証拠金が4%以上ないと取引させてはいけないよ
というルールになったのです。
証拠金維持率4%以上 = レバレッジ最大25倍
ということですので、
日本における個人投資家の場合は、国内FX業者を利用する場合、どの業者を利用しても最大レバレッジは25倍に設定されているのです。
海外FX業者のレバレッジ規制
「日本だけがレバレッジ規制を導入しているのか?」というとそうではありません。
米国のレバレッジ規制
- メジャー通貨ペア 最大レバレッジ:50倍(証拠金維持率2%以下)
- マイナー通貨ペア 最大レバレッジ:20倍(証拠金維持率5%以下)
EUのレバレッジ規制
- メジャー通貨ペア 最大レバレッジ:30倍(証拠金維持率3.3%以下)
- マイナー通貨ペア 最大レバレッジ:20倍(証拠金維持率5%以下)
韓国のレバレッジ規制
- 最大レバレッジ:20倍(証拠金維持率5%以下)
香港のレバレッジ規制
- 最大レバレッジ:20倍(証拠金維持率5%以下)
シンガポールのレバレッジ規制
- 最大レバレッジ:20倍(証拠金維持率5%以下)
世界各国、主要な国では、レバレッジ規制が導入されています。

「じゃあ、なんで海外FX業者はハイレバレッジでトレードできるの?」
海外FX業者が本社を持つ(ライセンスを持つ)のは、レバレッジ規制がないマイナーな国(ベリーズ、キプロス、セントビンセント・グレナディーン、バミューダ諸島)だからです。
マイナーな国(オフショア)では、金融監督庁があり、金融ライセンスもあるのですが、メジャーな国ほど金融の規制が厳格ではなく、レバレッジ規制を導入していない国が多いのです。
そのため
海外FX業者のレバレッジ規制はない = 海外FX業者が自社の判断で設定できる
ことになるのです。
結果として
海外FX業者のレバレッジは
- 小さい海外FX口座:100倍~200倍
- 平均:500倍前後
- 大きい海外FX口座:3,000倍~5,000倍
となっており、ハイレバレッジでトレードできるのです。
少額資金で、25倍以上のレバレッジをかけてトレードしたい投資家にとっては、国内FX業者よりも、海外FX業者がおすすめということになります。